恋風(2) / 吉田基已 (イブニングKC)
前巻と同様に微妙な関係が続く内容。血のつながった兄弟なのに異性としてお互いに意識しあってしまう…ってのが微妙な間合いで描かれてます。ちょっと絵が変わってきてるかな…てな印象もあるし、最後のコマの絵ははちと間延びした様な感じで惜しい。あの絵が一番の見せ場だったのに。
いわゆる「妹萌え」な作品として語られやすいこの漫画ですが、筆者の狙いはそこではないと思うし。だってその対象で「抜く」なんて露骨な表現は理想を描く時点であり得ないですから。この話をじっくり続けていって欲しいとも思いますが、あまりだらだら続けて途中から題名も変えて思いっきり方向転換してしまった某漫画のようにはなってほしくないので、適度なところできっぱりまとめて欲しいですね。
評価 ★★★★
バトル・ロワイアル(8) / 田口雅之(少年チャンピオン)
「…もうついていけません」てなのが率直な感想。徐々にそんな雰囲気はあって7巻の時も友人と内臓がが~てな展開をみて「あれはちと…」「うんやり過ぎだよなぁ」と述べあっていたのですが、今回はちゆ12歳でも「漫画版が暴走」と取り上げられた様にひどい内容。こういった作風がまさに作者の持ち味だと言うのは今までの作品からみても分かるのですが、これはバトル・ロワイアルではないでしょう。
まぁそこまでの話の持って行き方というのは彼女の生い立ちや経過を組み合わせてそれなりの物語を形成していたのですが、その結末があれとは何というか…。まぁああいう形でしか表現できないと言う悲哀もある種あるのでしょうが、そういう話はオリジナルでやってもらいたかったですね。一応原作付きなんだし。
と言うわけで、このコミック版とは個人的にお別れです。次は映画版「バトル・ロワイアルII」ですが、これも監督が病気で交代したりと不安が…。
評価 ★
グイン・サーガ(87)ヤーンの時の時 / 栗本薫(ハヤカワ文庫)
外伝は読む気力がなくて読んでなかったのですが、本編を読む前にあとがきを読もうとした時の展開ですべてネタがバレてしまったというか。まぁ古代機械に新たなマスターが出来た時点で彼の重要性というのは若干薄れましたし、最近は彼の動向を中心に話がすすんでいましたから、決着がついたという事でしょう。
まぁ何回死にかけてるねん…てな状態でしたし、口先三寸で生き残るのはきびしい乱世になっていましたから、そろそろ退場してもらうべきだったのですが、まぁ実際居なくなると不思議な感じですね。ついついあとがきで酔っちゃうぐらい大目に見ましょうよ。
後100巻までは13冊なのですが、倒した時点で終わっちゃうのかな。「悪を倒してハッピーエンド」ではちと尻窄みのような。
評価 ★★★★
げんしけん(1) / 木尾士目(アフタヌーンKC)
今までのが微妙な恋愛ものだったので今回もそうかな…と思いきやヲタ学生の物語。一応恋愛要素も含んではいるのですが、これが果たしてどういう物語を書きたいのかいまいち見えてきません。まさか「自分に正直に生きるヲタク学生の話」とか?…と思っていたらほんとうにそうらしいですね。この題名も、作者が大学にて実際に在籍していた研究会の名前だそうで(インタビュー記事参照)。
今のところは各キャラクターが出てきて活躍して…てな感じで通したストーリーは無し。最後でちと話が流れ始めたかなという印象があるのですが、とりあえずは次巻待ちですな。今までの印象があったので恋愛ネタに行ってくれた方が面白い漫画を書いてくれそうなのですがはてさて。よくある自虐系にはなってほしくないです。
評価 ★★★