パソコン通信時代から10年近く、相変わらず電話料金は従量制のままでした。そんな時にようやく訪れたのがこのフレッツ・ISDN(別名・24時間テレホーダイ)。ようやく対応時期が発表された、私の場合を例にとって導入事例として書きつづりたいと思います。
実は、もう一つ選択肢があったんです(2000/07/25)
インターネットへの常時接続を可能にする手段として、CATVインターネットがあります。これの欠点としてあげられているのが、対応地域の狭さです。ところが、私が住んでいる兵庫県西宮市は、この阪神シティケーブルのサービス地域なので、速度が256Kbps(ベストエフォート型)の常時接続を月々5900円で使えます。しかも、私の住んでいるマンションには、このマンションの前にさらに大きなマンションが建つ際、電波障害を考慮して民放各局限定で、CATVの配線がすでに引かれていました。
ところが、この配線に問題が。この配線工事が行われたのは、このCATV会社がインターネット接続サービスを開始する前。そのため、マンション内の配線はインターネット対応では無い事が電話での問い合わせにより分かりました。対応させるためにはマンション全体の配線工事が必要で、それなりの費用もかかります。個人ではどうしようもないので、マンションの大家に頼む必要があるのですが…結局この時点で諦めてしまいました。
ちょうどその頃、IP接続サービス→フレッツ・アイ→フレッツ・ISDNと名称の変わったこのサービスが開始されたのですが、やはり最初は東京、大阪のみ。いずれ各県庁所在地、そして周辺都市と対応地域が広がっていくのは分かっていたのですが…。
吉報は突然に(2000/09/07)
Web上での申し込みは9/12からなのですが、同封されていたハガキと、電話での申し込みはすでに受け付けている様子なので、最速の電話で申し込むことにしました。
(風の噂によると、常時接続のサービスをライバル会社がすでに提供している(CATVなど)地域ほど、フレッツ・ISDNへの対応が早いという話です。その点では阪神シティケーブルのおかげかな?)
電話で申し込み(2000/09/08)
この日は仕事だったので、休憩中に携帯電話で申し込み。おそらくTAorルータの機種名を聞かれる事は想定できたので、家であらかじめ控えておいて、早速携帯電話からフリーダイアルへ(確か出来ないって聞いたけど、フリーダイアルにならないだけで繋がるのかな?)電話。
担当者にフレッツ・ISDNの申し込みを告げると、私の電話番号を聞かれて、そこからすでにISDNにしている事を確認。そして聞かれたことと言えば、
●連絡用のメールアドレス(dieen@mars.dti.ne.jp)
●使用OS(Windows2000)
●使っているTAorルータ(NECのCMZ-RT-DS)
●利用プロバイダ(DTI)
●(携帯から電話したから?)携帯の電話番号
、という感じ。ここで問題なのが、プロバイダ。おそらくフレッツ・ISDNで利用するプロバイダを聞かれたと思うのですが、私が当時使っていたDTIは東京、大阪のみの限定募集だけで、西宮市で使えるようになるのは後になりそう。だから、9/26から使おうと思ったら、プロバイダは変更する必要があります。それもきちんと伝えて、とりあえずDTIで申し込んでおきました(後から思い返せばこれが失敗)。
なお、それまで使っていたINSテレホーダイとINSタイムプラスは不要になるので両方とも解約する事に。解約時期は次の締め日(私の場合は毎月10日)なので、10/10に廃止になります。また、すでにISDNに変更しているので、私の家での工事は不要。局内工事のみで、その料金2000円は電話料金とまとめて支払う事となりました。つまり、設定は自分でやってねって事で、これは思っていた通りですから問題なし。
問題はプロバイダ(2000/09/10)
これでNTTへの申し込みは完了したのですが、問題はプロバイダ選びです。兵庫県内(というか、すでにサービスを開始している神戸市)では多くのプロバイダが対応していますが、まだ、Web上での申し込みも開始していない西宮市では、まだ対応を表明しているプロバイダは少ない状態。
そんな中で、私が選んだのはWakWakざんまい。これはNTT-MEのプロバイダで、料金は毎月800円のみ。HP容量は50MBで、CGI利用可(レンタルスペースを借りている私は関係ないですけど)となかなかよさげ。新規地域への対応も、フレッツ・ISDNのサービス開始と同時(同じNTTグループですし)。後は、@niftyぐらいですか。他のところが分かるのは、9/12以降でしょうか…。
しかし、DTIでもし使えるんだったらそうしたい。そこで、DTIに質問メールを出してみました。
私は現在、兵庫県西宮市でDTIを使わせていただいてますが、この度9月26日より、こちらでもフレッツ・ISDNが利用できるようになります。
そこで、DTIのままでフレッツ・ISDNが使えたらいいなぁと考えているのですが、DTI側での対応状況はどうなりますでしょうか? 他のプロバイダと比べて、すこし対応が遅いなぁ…と感じていますので、積極的対応を期待しております。
とまぁ、ちょっと挑発もしてみたのですが、果たして?
DTIからの返事(2000/09/11)
昨日出したメールに返事が来ました。それによると、
**様よりお問合せ頂きました西宮市地区に関しましては、9月下旬にサービスをご提供できますよう現在調整中でございます。
また、弊社IP網プランのお申し込みにつきましては、NTTフレッツISDNのサービス開始日以降、弊社ホームページよりお申し込み頂くこととなりますのであらかじめご了承下さいますようお願い申し上げます。
募集人数につきましては限定数は設けず、開始日よりお受けする予定でございます。
具体的な募集数のご案内は致しかねますが、募集数には余裕があるのでご安心下さい。
おお~、これは思っていた以上の積極的対応では無いですか。まさかこんな事になってるとは思ってなかったので、結構驚きです。ただ、申し込みがサービス開始以降(つまり、サービス開始と同時には使えない)ってのは気になりますけど。
料金を調べてみると、定額で1380円とかなりの安さ。DTIの料金は年払い(旧プランB)ですでに2001/03まで支払っているので、最初はWakWakざんまいで、これが駄目だったらDTIに戻ろうかな?。WakWakざんまいの申し込みが9/12からだから、とりあえず申し込んでおこうっと。
何故にキャンセル?(2000/09/12)
さて、今日からWeb上での申し込みが開始。すると、早速NTTから電話が来ました。手続きが開始するのも今日からか~と思って話を聞いてみると、な、なんと「利用するプロバイダとして申し込んでいるDTIが、サービス開始時期(9/26)には使えないので、申し込みをキャンセルさせていただきます」と非情な通知。こちらが、「後から変更できないんですか?」って聞いても、「コンピュータで処理するので、きちんと対応しているプロバイダを指定しないと処理できない」と言われてしまいました。
でも、申し込んだ時には、おそらく使えないであろうDTIで申し込みをして、それをNTT側も受け付けたんです。それを今になってキャンセルにするって言うのは、NTT側のミス…説明不足じゃないかと思うので、「申し込んだ時点では、どのプロバイダが対応しているのか分からなかった」というと、「すでに20社近く対応していますよ」との答え。確かに兵庫県としては沢山あるけど、それはすでにサービス開始している神戸市の話で、西宮市はこれから(現にwakwakも今日から)だし…って説明するのも、その事務的対応に少々キレてたんで、諦めて電話を切りました。
電話を切った後調べていると、WAKWAKざんまいのページで気になる一文を発見。無断引用は御法度なのでしませんけど、赤い字で書いてある注意事項を読むと…むぅ、どっちが正しいねんって感じ。しかしややこしいですな~。
とりあえず、申し込むときはあらかじめ対応しているプロバイダ(分からない場合は、自分の地域ではなくても同一県内ですでに対応していて、速やかな対応が期待できそうな所など)と契約して置いた方がよさそうです、料金コース変更なんてすぐ出来ますから。
んで、夜にさっそくWAKWAKざんまいと契約。オンラインサインアップだったので、すぐ一般APでの接続は出来ました。さて、明日再申し込みです。面倒だなぁ…。
再申し込み(2000/09/13)
さて、キャンセルされてしまった以上、再度申し込むより他ありません。昼過ぎに電話してみると、なんと話し中。やっぱり申し込みが殺到しているのかな~と、結果的に出遅れてしまったのを悔やみつつ、数回のリダイアルでようやく繋がって。WAKWAKざんまいを使うことを伝えた以外は前回と同じ。
まだキャンセルされた事へのわだかまりが自分の中にあったので、とりあえず「申し込みは、プロバイダかフレッツ・ISDNのどちらが先なんですか?」と聞いてみました。すると、やはりフレッツ・ISDNが先だそうで。こちらがキャンセルされたことを言うと「それなら、DTIの開通時期に合わせて工事を延期しても良かったですし」と。その時は思いつかなかったけど、確かにこういう対応も出来た訳で、やはり前回の対応には間違いもあった様です。まぁもうキャンセルされた後ですし、担当者も不慣れであるという事を考えると、まぁこちらも適切に対処すべきだったかな…と。ちょっと混乱してましたし。
んで、すでに局内での作業は始まっているので、「今日中に再度ご連絡しますので…」と言われたので、電話がかかってくるのを待っていたのですが…掛かってきませんでした(泣)。やっぱり一日遅れたのはかなり痛いかなぁ。
無理を承知でごねてみる(2000/09/14)
そして次の日、ようやく電話が掛かってきました。しかし予想通り、「申し込みが殺到しているので、9/26は申し訳ないが間に合わない」と非情な宣告。しかしこちらは申し込みをキャンセルされたあげく、再度申し込んだら今度は間に合わないなんてちょっと納得できず、「一度キャンセルされて、それで間に合わないなんて…」とごねてみました。すると、一度相談してみますという事でその場は一端終了。
実は、その電話があった10分後にこのページを書いてるんで、まだ返事は帰ってきてません。果たして9/26に間に合うのか?…こうご期待(^^;
やっぱり駄目でした(悔)(2000/09/18)
さて、ごねたのが先週の木曜日、んで祝日と土日を挟んだ今日(月曜日)連絡があるかな~と期待して待っていたのですが、やはり電話は掛かってきません。仕方なくこちらから電話。最初に電話に出た人はなかなか話が通じず、前回応対した人の名前を言っても「私、他の部署から応援に来ているので、まだ他の人の名前が分かんないんですよ」なんてのたまう始末。
その後、前回「また連絡します」って言った人だと思って名前を出した人から、折り返し電話が掛かってきたのですが、どうやら混同していたらしく、よりによってキャンセルの通知をしてきた人を指名してしまいました。声を聞きながら思い出したのですが、大失敗です。 ちゃんと担当者の名前は覚えておかないと、会社(NTT)が相手とはいえ、詰まるところ一社員との交渉になるわけですから。一つ勉強になりました。
さて、色々説明を受けたのですが、結局「キャンセル待ちを最優先で回します」を繰り返すのみ。すでに用意されている回線が埋まってしまった以上、私が入る余地はない訳です。まぁ詳しい事は分かりませんけど、これは十分予想できた答え。つまり、言い方は変えてるけど、結局は「増設待ち」って事ですね。まぁ待たされる事には変わりないんだから、同じ事です。結局「9/26の開通は諦めてください」という事でした。
う~ん、なんだか気が抜けちゃいましたね。9/7から突っ走ってきたけど、こんな結果になって一時の興奮が冷めました。サービス開始は全国的に見るとかなり早いほうなので、十分恵まれているのは分かっているのですが、その分NTTへの失望(もっと回線準備せんかい!)も大きいです。待っているうちにDTIの方でも対応しそう(東京での再募集が始まった)ので、プロバイダも見直す必要があるし。
と言う訳で、一端小休止、また動きがあれば再開します。
何とかなりましたか…(2000/09/21)
すると、3日後に再び電話が。「電話が掛かってくるとは、もしや…」と思いつつ聞いてみると、「キャンセルが出ましたので、9/26から使えるようになります」との通知でした。いや~、同じ電話局内で何人申し込んでいたのかは分かりませんけど、キャンセルする人っているんですね。もし阪神シティケーブルへ乗り換えたんだったら、それはそれで羨ましいけど。
んで、同時に接続先の電話番号も教えてもらいました。フレッツ・ISDNの場合、電話する番号は各契約ごとに専用の電話番号が割り振られる(結果的に話し中はあり得ない)のですが、jこの電話番号は自宅の電話番号と似通ったもの。たとえば0123-45-6789なら、0123-45-6まで同じでした。
すでにWAKWAKざんまいの方は会員登録証も郵送で届いているので問題はなさそう。一方のDTIの方は、10/13 午前11:00よりより募集開始と発表されました(メールも来ました)。まぁ、こちらはWAKWAK次第ですけど。
お申し込み内容が到着(2000/09/28)
うちでは上記のように開通の決定がずれ込んだので、サービス開始後に届いたのですが、本来なら事前にお申し込み内容が郵送されます。配送記録が必要なようで、書留で届きました。中身はこんな感じ。NTT東日本のは雑誌等で紹介されてますけど、NTT西日本のとはやっぱり違いますね。東日本の方がB4サイズだったので、こちらの方が小さいかも。
申し込み内容と、セットアップガイドはこんな感じ。同縮尺で申し込み内容がA4だから、セットアップガイドの小ささが分かるかな。他にはプロバイダ別の識別子一覧とか。いろいろ書いてありますけど、基本的に設定はISDNと大差無いので、ちょこっと変更するだけかな?。ルータやTAが対応していれば、引っかかる事はないと思います。
唯一引っかかるところと言えば、フレッツISDNを使う際は、発信番号通知が有効になっている必要があります。TA、ルータの設定やINS64の契約状態をチェックしてみてください。分からない場合は、番号の始めに「186」をつけると確実かもしれません。
んで、申し込み&設定は完了。いよいよサービス開始~というわけで、その後の顛末は実録・常時接続への道 ~フレッツ・ISDN、利用編~にて。