赤い悪魔が…FW-6280BXDR/155

導入編

 初めてのSlot1なマザーボードとしてABITのBH6を購入してから約1年。最初からオーバークロックを狙って購入したこのマザーボードも、最初は特に問題もなく使えたのですが、色々増設しているうちにだんだん不安定に。噂では電源系がちと弱いという話なのですが、真偽のほどはさだかではありません。

 最近では、少しシステムに負荷の掛かるような使い方をするとすぐにフリーズする始末。もちろん、一番キツイソフトであるDirect3Dを使ったゲームなどは、始めて間もなくフリーズするので、まともに遊べません。

 それでも、こまめにセーブするなどして騙し騙し使っていたのですが、最近ではIE5も突然フリーズするようになり、通常の使用にも支障が出始めました。いつフリーズするかどきどきしながら使っているのでストレス溜まりますし、結局、これはマザーボードを替えるしか無いだろうと言うことで、前々から目を付けていたこの赤い奴、FW-6280BXDR/155に乗り換えることにした訳です。

FW-6280BXDR/155 この会社の特徴である、赤い基盤で作られたこのマザーボードは、見て分かるとおり、Slot1が二つあるDUAL対応のマザーボードです。Slot1がを向いて取り付けてある珍しいタイプ。デザイン的にこの方がいいのかどうか分かりません。Slot同士の幅が狭くなってしまい、上のSlotにCPUを差す場合には、CPUクーラーを薄いモノにしないと難しいです。一つだけだとに差します。

 PCIバス6つあって、レガシーフリーの流れに乗ってISAバスなし440BXの制限バスマスタとして動作可能(IRQを割り振れる)なPCIバスは4つまでなのですが、このマザーボードの場合、間にDEC 21152 PCI-to-PCI Bridge(DECはIntelが買収したので、名前が変わってます)を挟むことにより、6つ全部バスマスタとして利用可能になっています。

INTEL 21152 かといって、全てをこの21152経由で繋ぐと、不具合の出るカード(例えばSB互換のサウンドカードなど)があるので、下から数えて1~4番目はこの21152経由、上の5,6番目440BXに直接繋がっています。

BH6との比較 以前使っていたBH6と比べてみると、やっぱり横幅がかなり広いです。ある程度は余裕のある作りにしてるんでしょうけど。



 殆どの設定はBIOSから可能で、AGPをFSBに同期させる/させないジャンパが一つあるだけ。VCOREVIOも限られた範囲でそれぞれ変更可能。FSBの設定は細かく、全部で29通りあります。

FSBPCIFSBPCIFSBPCI
6633.411237.313333.3
7537.511337.813533.75
783911538.313734.25
8140.51173913834.62
8341.6511839.514035
90301204014235.5
9531.6712240.614436
10033.3124/4141.315037.5
10535124/313115538.75
11036.6712631.5

 これだけ細かいのも、最近のCPUは殆ど倍率固定だってのが影響しているんでしょう。どれだけFSBを細かくして、限界を探れるかが大事ですから。

名前がいろいろ書いてあります このマザーボードは、FREEWAY(つまりはTWOTOP)が企画した製品で、共同開発はA-TREND。だから、A-TRENDのホームページにもATC6280と言う名前で出ています。BIOSも共通に使えることもあるそうです。所々に、その出所が表記されています。   

 この商品が出始めた頃は、ATX電源との相性問題がかなり問題になりましたが、その後色々改良されて、今回私が購入したのはRev.C。うちのSeventeen ST-250HRとは仲良くなってくれた様で一安心。ただ、このマザーボード、TWOTOPの広告からはすでに消えています。「おそらく在庫限りでは…」と言う噂もありますが、サポート自体には問題ないでしょう。別名の系列店(らしき店)でも売られていたので、今後はそのルートになるのかも知れません。おそらく、今後はバグ騒ぎで延期になった、i820チップセットを使った新製品が出るのでは…と思ってます。

使ってみると

組立完了 そして実際にセッティング。PCIには、上からMX300、DC-390F、FMW-9700T、空き、Voodoo2、Voodoo2となりました。最初はMX300とFMW-9700Tの位置がだったのですが、これだと「PCI-PCIチップ経由だと、SB互換のMIDIジョイスティックが使えないよ~」ってエラーが出たので、差し替えてみました。後は問題なし。

 最初は定格(66*4=266MHz)でいろいろいじって、それから以前と同じ設定にしてオーバークロック(112*4=448MHz)。今までと同じ設定だから、多分問題ないだろうと思って使っていたのですが、やはり不安定。BIOSの設定をいろいろいじっても、良くなる傾向はありません。

 そうこうしているうちに、Windows自体が立ち上がらなくなる始末。起動プロセス中にフリーズしたり、ソフトを起動した途端にフリーズと、BH6の頃よりひどい状態です。システムファイルが壊れたのかとも思ったのですが、そうでも無いようで。

 結局お手上げの状態となり、FSBを下げてみることにしました。BH6の時は112MHzの下は103MHzだったのですが、このマザーボードでは110MHzとすこししか下がりません。で、その後おもむろに再起動してみると、110*4=440MHzと、以前と殆ど変わらない状態なのですが、きちんとWindowsが起動しました。その上、いまこれを書くまで大体5日間ほど経ちますが、一度もフリーズしたことはありません。FSBで2MH、実クロックで8MHz、PCIのクロックで0.58MHzの差しかないんですけど、この差が明暗を分けたと言うことでしょうか。

 …とまぁ、やけにシビアなところを見せたこのFW-6280BXDR/155ですけど、クロックダウンを最低限に押さえつつ、安定性を手に入れることが出来た今回のマザーボード交換は大成功だったと思います。後はATX電源をもっと余力のあるモノに交換して、CPUもいずれデュアル化して、Win2000なんぞ入れてみたいと思います。

(1999/09/30)

河童には?

 いよいよ0.18µmプロセスで製造されたCoppermineが発売されましたが、動作電圧1.65V。このマザーボードは1.9Vまでしか下げられないので、対応BIOSが出る予定もないと、ホームページのFAQに記載されていました。つまり、サポート外って事ですね。

 結局、+0.25V電圧を上げた状態か、FC-PGA版を電圧の変更できるアダプタでもって使うぐらいしか、使える可能性のある方法はなさそう。最近のMBなので、対応してるんじゃないかと期待してたんですが…。

(1999/11/10)

ACPIに挑戦

 このマザーボードがACPIに対応しているのは知っていたのですが、特に必要性も感じなかったのでずっとAPMのままだったんですが、何となく試してみる事に。

 再インストールからやり直す(setup /pjでもってインストール)のも面倒なので、レジストリの書き換えで対応させました。あらかじめBIOSの設定(POWER MANAGEMENT SETUPACPI functionEnable)でACPIを有効にしておいてから、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\MICROSOFT\WINDOWS\CurrentVersion\Detectに、ACPIOptionという文字列を追加し値をにします。※レジストリの書き換えは危険を伴いますから慎重に!

 そして、次にデバイスマネージャーで新しいデバイスを認識させて。PnPでは見つからないので、次のステップに進んでHDをごりごりさせながら探させると、ようやく発見。んで、それをインストールすれば再起動。かなりのデバイスがACPIの下に連なるので、延々自動認識されます。その際、もしかするとドライバーWin98のCDを要求されるかも知れません。うちの場合は何も要りませんでしたが。んで、全て完了した後に「ディスプレイの設定が間違っていて、使えません」って出たのですが、再度設定してやると直りました。ACPI対応前、対応後のデバイスは以下のようになりました。

ACPI対応前ACPI対応後
ACPI対応前ACPI対応後

 う~ん、見えますかね?。殆どがACPIの下に入ってますよね。ACPIでIRQを一つ使うんで、余裕が無いとしんどいかな?。

 何でも、ACPIに対応させると、Windows98でもCPUの未使用時にはHALT命令が発効されて、CPUの発熱を抑えてくれるらしいのですが、実際にはどうだか。根拠はないのですが、そう言う事例も報告されているようです。私の場合も、それを期待しているのですが。電源ボタンを押してのWindows98のシャットダウンも上手くいかないし…。

(2000/2/13)

FW-6280BXDR-155ユーザー情報交換BBS

 これだけ特殊なマザーボードだからか分かりませんけど、FW-6280BXDR-155ユーザー情報交換BBSという名の専用BBSが開設されてます。

 最近ではWindows2000関連の情報が沢山あるので、困った時には一度チェックしてみることをオススメします。私もいつも参考にしてますので(書き込みは一回しかした事ありませんけど)。

(2000/2/25)

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