私がこのパソコンを買ったとき、ビデオカードをMillenniumからPowerWindow3DVに変更したのは、ひとえに3Dゲームがしたかったからです。PowerWindow3DVに搭載されているS3のVIRGEは当時では最高の3Dビデオチップであり、色々な機能をサポートしていました。
しかし、実際にゲームをやってみると、まだまだ発展途上のビデオチップであり、あまり満足できる結果ではありませんでした。2Dではどのチップもほぼ横並びで、以前のように大差がつくことは無かったのですが、一つ不満がありました。それは、リフレッシュレートの問題です。
私はいつも1280*1024*16bit(65536色)の画面でパソコンを使っているのですが、VIRGEのRAMDACは170MHz(もう少し低いかも)。ドライバの関係もあって、垂直周波数は60Hzになってしまいます。これはノンインターレス表示なのですが、フリッカーフリーになるには垂直周波数は75Hz必要です。結果、すこしちらついた画面でいつも使うことになってしまったのです。仕方ないとはいえ、これは目に悪いです。
やがて1年が経ち、ビデオカードも色々と新しいのが出てきました。まずMillennium2が出てきました。2Dは相変わらず速いですし、3Dでも速くなりましたが、まだサポートしていない3DAPIがあったりします。また、GA-P28/PCIも発表されました。これはPREMEDIA2を搭載していて3Dは速そうです。8MBのメモリを搭載していながら4万円前後という低価格も魅力でした。そして、Revolution 3Dも、Millenniumより速いという2D機能と、128bitで処理される高速な3D機能が特徴のハイエンドカードです。他にもXPERT@PLAYやViperV330なども発表されていましたが、まだ情報がなくて分かりませんでした。
そうこうしているうちに、Revolution 3Dがついに発売され、こんな感じで4MB版を購入。確かに3Dは速くなりましたし、2Dでも垂直周波数を85Hzに出来たのですが、そんなに変わらず。ビデオカードの性能を見る限りではもっと速くなっても良さそうなのですが、体感速度は殆ど変わりません。とくに3Dが。4KBのテクスチャキャッシュを内蔵していたり、650MFlopsのセットアップエンジンを搭載していたりと、スペック上は速そうなんですけどね。
そこで思いついたのが、K6の存在です。この頃はちょうど値も適度にさがっていてお買い得でしたし、200MHz以上で動くCPUの中では唯一、コアの電圧が3.2Vで動くのも魅力でした。当時のマザーボードP/I-X55T2P4だと3.3V以下には設定できないので。0.1Vでも電圧が違うのは怖かったですけど、同じように動かしている人のホームページを発見して一安心。
コストパフォーマンス的には200MHz版がいいのですが、前述の理由もあって233MHz版をこんな感じで購入。噂通り発熱は大きいですけど、きちんと動きました。その頃は電圧をいじったりマザーボードを操作してオーバークロックするという考えは無かったので、動いただけで御の字です。
使った感じでは、思った以上に高速になりました。CPU内部のキャッシュが4倍になったのも大きいのでしょうけど、きびきび動いてくれます。3Dも目に見えて高速化しましたし、これなら買った甲斐があったと言うものです。
さて、ベンチマークの結果です。すべて1280*1024*16bit(D16)での結果です。まずはWintach。
Wintach1.2 | WordProcessing | CAD/Draw | Spreadsheet | Paint | Overall |
P5-200+PowerWindow3DV | 60.58 | 1276.92 | 224.04 | 440.66 | 500.56 |
P5-200+Revolution 3D(1.27) | 69.63 | 618.32 | 446.46 | 430.76 | 391.26 |
P5-200+Revolution 3D(1.29) | 77.65 | 1151.31 | 446.46 | 466.94 | 535.59 |
K6-233+Revolution 3D(1.29) | 84.99 | 1546.06 | 474.11 | 516.77 | 655.48 |
WordProcessingは順当に上がっていますし、PaintはK6に変えると上がっています。SpredsheetはRevolution 3Dが速いようですね。
問題は、CAD/Drawです。Revolution 3Dの正式版のドライバではPowerWindow3DVの半分の値しか出ていませんし、1.29βのドライバでもまだ負けています。K6に変えてようやく上回りました。この辺りはさすがカノープスでしょう。
次はHDBENCHです。
HDBENCH2.292 | 浮 | 整 | 矩 | 円 | Text | Scroll | DD | Read | Write | Cache | ALL |
P5-200+PowerWindow3DV | 11290 | 12501 | 12538 | 7755 | 1672 | 35 | 75 | 4148 | 4364 | 11427 | 7303 |
P5-200+Revolution 3D(1.27) | 11292 | 12498 | 16532 | 2837 | 3749 | 93 | 84 | 3525 | 3704 | 10751 | 7220 |
P5-200+Revolution 3D(1.29) | 11293 | 12500 | 16597 | 5419 | 3740 | 93 | 84 | 3735 | 4000 | 11172 | 7616 |
K6-233+Revolution 3D(1.29) | 13553 | 16444 | 16867 | 6269 | 4208 | 93 | 84 | 3528 | 3495 | 24095 | 9839 |
こちらも、上のWintachと同じ様な感じになっていますね。短形とTEXTの増え具合がWintachのspreadsheetと同じように推移しています。円の結果がWintachのCAD/Drawと同じような結果になっていますが、こちらでは最初の設定が最速というとんでもない結果に。PowerWindow3DVのドライバがいいのか、Revolution 3Dのドライバが悪いのか…。
K6に変えるとやはり速くなっていますが、その中でもCacheが倍以上に上がっています。CPU内部のキャッシュの増加によるものでしょうね。
(問題の3Dでのベンチマーク結果がありませんが、これはPWR128P/4VCのと一緒に掲載したいと思います)
(1997/9/12)